初めて会ったあの頃と比べると、今の俺と嫁は卵からひよこになったくらいかなと思うが・・ >> 二人で頑張れば、もっともっと幸せになれるよ。
引用元: http://www.logsoku.com/r/2ch.net/tomorrow/1390920950/
だらだら書き込んでみる。
当時、俳優の卵の俺(20・容姿はB-)と、声優の卵の嫁(21・容姿はA)が最初に会ったのはとあるドラマのエキストラで一緒になったのがきっかけ
エキストラってのは、ドラマや映画でキャストの横や後ろで通行人とかお店の客をやったりするいわばひとつの背景みたいなやつね
エキストラって結構キャストより待機時間の長さと頻度が多くて、かなり暇を持て余すからみんなケータイいじったりして暇つぶしするんだが、昼食のタイミングで一気に初対面同士のみんなが相手を見つけて雑談し始めるんだよな。
黙ってると落ち着かない俺は、近くにいる人に誰彼かまわずボケまくってふざけ倒していたんだが、それを見た嫁曰く、コミュ力があってうらやましいと思っていたそうな。
その時俺はというと、横の男にくだらない冗談を言いながら「あの子、なかなか馴染めてないなぁ」と部屋の角の席に一人座る嫁を横目に見ていたんだけども。
嫁は色白で清楚(せいそ)でスレンダー(すらっと細い)で、纏(まと)うオーラが可憐でどこか近寄りがたい雰囲気を醸し出していて、それでずーっと一人で本読んでるから、高嶺の花っぽくて話しかけにくかったんだが、昼食が終わった午後の撮影で、俺と嫁がペアで呼ばれたのね。
通行人のカップルってことで。
わずかな隙を見つけて、ここだと思っておそるおそる話しかけてみると、最初に抱いていたイメージとは全く違う、かなり人間っぽい笑顔をするのに驚いた。
「みんな他の事務所の人だったから話しかけづらくって心細かったんだ~」
安堵の表情を浮かべながら胸をなでおろす嫁がすっごい可愛いと思ったよ。
リハ・本番以外のセッティングの時間中は小声ながらもずっと話していて、俺のくだらなすぎる冗談にもボケにも全部笑ってくれるからマジ天使かと思ったよ。
そのシーンの撮影が終わって控室に戻るやいなや、俺は嫁の席の近くに移り行ってすっかり話し込んでしまった。
出身が隣県だったってことも分かって話は弾んだし、声優の仕事はどうかとか俳優の仕事はどうなのとか、話題は湧いて出て終わりを知らなかった。
その日の撮影含めた3日間の撮影で、すっかり一目ぼれした俺はメアド交換をお願いした。
すると嫁は二つ返事で了承してくれ、無事メアド・TELをゲット。
帰宅後、即メール。
俺「今日はお疲れ様でした~」
嫁「いえいえ、こちらこそどうもありがとうございます!」
俺「撮影中うるさくなかったですかね?散々ボケまくっちゃいましたけどww」
嫁「大丈夫ですよ、とても楽しかったです(笑)」
・・・なんていい子なんだろうと思ったね。
それから半月ほどして俺は嫁をご飯に誘った。
嫁の白いフリルのワンピースが今まで知り合った女性の中で一番似合うんじゃないかってくらい似合ってて、パスタもそりゃあ器用にくるくるーって巻くんだわ。
嫁の些細な動きやしぐさ・表情にすっかり見とれてるとやがて目が合うんだけど
嫁「・・・ん?(気付く)」モグモグ
俺「ん?」
嫁「・・・」
俺「・・・」
嫁「・・・」モグモグ
俺「・・・」
嫁「んふふーww」
幸せすぎて死にそうだったよ。
俺どんな顔してたんだろうな、たぶんにやけてるよな。絶対。
それから数カ月の間に水族館や遊園地とかいろんな場所に行ったりして、夜遅くなった時にはタクシーで嫁の一人暮らししてるハイツまで送り届けたこともあった。
でも俺、表向きをボケ担当でコミュ力あるように取りつくろっても、女性関係については自信がなく、好きとか付き合ってとか踏み込んだことは言えなかったから、
嫁とはまだ交際には発展してなかったんだ。
そんな状況の時に、12月25日のクリスマスと嫁の誕生日の時期がやって来た。
実家に帰る予定はないとのことで、一人で東京でクリスマスを過ごすと聞き、俺クリスマスは予定ないから一緒にどう?と尋ねるとあっさりOK。
この頃になると嫁が好きになりすぎて、いい加減つらくなってきていたので、嫁の誕生日に思い切って告白しようと決意。
クリスマス&嫁の誕生日を決戦の場にしようと思った俺は、23日、プロダクションでのクリスマスイヴイヴパーティーをやった時、余興で使ったサンタ衣裳がちょうどあったのでそれをカバンに詰め、イヴの夜、嫁の家に向かった。
最初は普通の格好でお邪魔して、嫁の手料理とイヴを満喫した。
23時半を過ぎた頃に、煙草を買ってくると口実をつけて外に出た後、近くの公園のトイレでカバンから取り出したサンタ衣裳に着替え、24日から25日へ日付が変わるちょうどを見計らって戻って来て、12時になった瞬間嫁の部屋のインターフォンを鳴らした。
はーい、と遠くから声が聞こえ、足音が近づき、ドアがガチャっと開いた瞬間を狙って「メリィークリスマァース!」
「お誕生日おめでとうございマァース♪サンタさんだよ~」ニコッ
サンタクロース姿でニッコニコの俺を見て噴き出す嫁。
「ちょっww大きい声出さないでよ恥ずかしいでしょww早く入ってよちょっとwww」
強引に部屋に引きずりこまれる俺。
「もうーなにーその格好wwどうしたのww」
「やー、クリスマスって言ったらサンタさんでしょww」
「いやそうじゃなくてwwwwww」
俺がサンタコスをするとは思ってなかったのか(当然だが)、嫁はしばらくツボに入って腹を抱えてヒーヒー言ってた。
ひとしきり笑い、嫁が落ち着きを取り戻したのを見計らって言う。
「今俺、サンタさんだし、嫁ちゃんにプレゼントあげるよ」
「えっ?!なにー!」
見事に嫁は食いついてきた。
「それはね・・・・俺でーすwwww」
「・・・えwww」
「うん・・俺www」
「・・・・うそww」
「・・・」
「・・・」
「ほんとだよ」
俺が真顔になったのを察して慌てて正座で向き直る嫁。
「あの・・・」
「嫁さん」
「は、はい」
「こんな・・・子供っぽい俺ですが・・」
「・・・」
「よかったら、付き合って・・・もらえませんか・・?」
震える声で告白。
今までのどんな撮影よりもずっと緊張した。
心臓は考えられなくなるくらい早く打って、10秒余りの沈黙が何倍にも感じられた。
その日から俺は嫁と付き合い始め、3年後に結婚。
結婚前の挨拶で嫁父に「俳優で食っていけるのか」とお決まりのお叱りを受けたりしたものの、OFFはいろんなバイトを掛け持ちして入れまくって、半年かけてようやく認めてもらった。
結婚してもお互い俳優・声優は続け、お互いのOFFが重なった時にはずっと家でだらだらイチャイチャしたりして過ごした。
もちろん、嫁の台本の相手をしたり、俺の台本の相手をしてもらったりするのは日常茶飯事。
演技は俺の方が慣れているが、セリフのイントネーションは声優の嫁の方が正確だから、そこはーー・・じゃなくて~~・・だよとご教授いただくこともしばしば。
今まで何度かなんで俺と付き合ってくれたの?と聞いてみたが、恥ずかしがって言ってくれなかったんだけども、2回目のクリスマスもサンタ衣裳で凸して聞いたら、お腹抱えながら「私のためにそういう馬鹿なことしてくれる俺くんが好きになったの」と。
それからは、毎年嫁の誕生日はサンタで凸するんだが、一度パトロール中の警官に見つかって職質されたことは嫁には内緒なww
お互い収入が不安定な職種だから、子供はまだ無理そうだが、俺の俳優業と嫁の声優(兼女優)業はゆっくりだが順調に進み、昨年、映画でそこそこの役を演じさせていただいた。
なんと嫁も、一緒の作品で。
初めて会ったあの頃と比べると、今の俺と嫁は卵からひよこになったくらいかなと思うが、もっと大きく育って、新しい家族が増えるといいなと思う。
それまでは、嫁と二人三脚でゆっくりと歩いていこうかな。
結構難しいな。
初カキコだから長くなってしまった。すまん。