もうちょっとでお前のとこ行くから、あと少しだけ待っててくれ。 >> バカヤロー。先に逝った嫁や娘のためにも、もっと生きてなきゃダメだ。
引用元: ・https://www.logsoku.com/r/2ch.net/tomorrow/1344580672/
ちょっとだけ語らせてくれ
俺は、嫁が大学卒業してすぐに結婚した。
嫁とは、嫁が大学在学中から付き合っていた。
出会いは合コンだった。
その時から嫁は、気配りのできる良い子だった。
付き合い始めて初めてのデートは、双方ハイキングが趣味だったので近くにある山に一緒に行くことになった。
俺はいつも通りにぎりめしを買えばいいやと思っていたので、昼飯は準備していなかった。
でも、嫁が「こういうこともあろうかと」と弁当箱を二つ取り出した。
この弁当がまた美味かった。
内容としては、オーソドックスなもの(卵やき・から揚げ・おにぎり・煮物)なのに卵焼きはたっぷりの出汁がきいてふんわり美味しく、から揚げはスパイシーで外はカリっと中はジューシー。
煮物はメリハリの効いた味で冷えてても美味しい弁当だった。
3年間付き合って、いかに嫁が気の効く良いひとで、飯もうまくて綺麗好きでってのを思い知った。
結婚を前提に、ということを御両親に報告しに行き、同棲の許可も得た。
同棲後結婚してからも、毎日が幸せだった。
たまに喧嘩はするけど、それはお互い誤解してたり、地域の風習の差からで、すぐに和解できた。
可愛すぎる娘もできた。
目に入れても痛くないぐらい可愛かった。
俺に似た目に、嫁に似た髪と鼻と口と耳。
子が出来てから、さらに幸せな毎日だった。
家に帰れば、笑顔と、美味い飯が待ってた。
そんな嫁が事故で死んでから、もう20年になる。
今では娘も立派に成長し、来月結婚式だ。
お前そっくりの美人で、気立ての良い、飯上手なのに育ったぞ。
俺はこの前癌が発覚してな。
もうちょっとでお前のとこ行くから、あと少しだけ待っててくれ。
そっちに行ったら、また一緒にハイキングに出かけよう。