クラスでカースト最下位だった俺 、同郷の奴らが華々しく高校デビューしては散っていく中、蛹を貫いていた・・・
待たせたな!
仕事の合間に書いてみたけど、長くなっちまって心折れそう
クラスでカースト最下位だった俺
同郷の奴らが華々しく高校デビューしては散っていく中、蛹を貫いていた
昼休みにいつもの釣り仲間3人組で集まって放課後の作戦を立てていた
突然、同じクラスの女から「おごりジャンケンしようよ」って話しかけられた
そいつは5、6人の騒がしいグループに属してるギャルギャルしい女だ
少し前に財布忘れたとか聞こえてた
同じクラスなのに話したのはそれが初めて
なんでやねんと思いながらも、半ば強引にジャンケンさせられ俺が勝ってしまった
周囲の冷ややかな視線が突き刺さり、奢ってやれよと吉野が言う
ベストフレンドだと思っていた吉野がギャル達の前でいい格好しようとしたことを俺は今でも忘れない
うちの高校は弁当持参するか、朝に日替わり弁当申し込むか購買部のパンかの三択
購買部のパンは四階までのスタートダッシュと一年には不利な配置で入手困難
俺が行った時も残りわずかだった
それを女に告げるとみるみる泣きそうになって、他のギャルがヨシヨシしてた
そもそもお前らが金貸してやれよとも思ったが、反撃が怖くて言えるわけもなく
俺の二個確保したパンのうち一個とパックジュース買える100円あげた
そしたら一瞬で笑顔になって「ありがとう、明日必ずお礼するね」とニコッて笑って去ってった
表情の切り替えが変面ショー並みに早い女だ
次の日の朝、女がパンどっさり持ってきた
袋で駅前のパン屋寄ってきたのが分かった
迷わずカレーパン手に取ったら「それ選ぶと思った」とか言われてなんか嬉しくなっちゃう俺
女との接点が無いとそんな一言まで喜んでしまうようになるんだぜ
それがきっかけで暇があると「しっぺジャンケンしようよ」とか「デコピンジャンケンしようよ」とかちょくちょく絡まれるようになった
んでも、ギャルのキモ男イジりってな感じでいじめに見えなくもない
初めての接触からだいぶ過ぎた頃
チャリで帰ろうとしてたら女が寄ってきて、2ケツでイオンまで乗せてけって
おれんちとイオン真逆の方向な
吉野に目をやると完全に他人のふりしてやがる
なんて薄情な親友なんだ
女はパンツが見えないようにジャージを履くと言い、なぜか俺のサブバック漁り出す
そして、最後にいつ洗ったか分からないようなジャージに躊躇なく足を通す
このダボダボ具合が気に入ったらしくて、たまに体育の授業で勝手に履いていかれたこともあった
イオンでは趣味なのか手芸用品の買い物したり、マック食ったりした
制服のやつらとかカップルとかとすれ違うたび、見た目格差ありすぎな俺たちがどう見られてるんだろうって意識してしまった
帰り道で寒いとかってブレザーの下に手入れてしがみついてきて、あれ、これってもしかして青春の絶頂期じゃね?とか思った
次の電車が来るまで相当時間がある
女、俺の前髪をガッと上げて「うん、眉毛剃ってあげるね」とおもむろに剃刀を出してくる
むろん俺に拒否権は無い
駅の外の階段、俺の膝の間に女が入ってきた
うわーうわーて思ってたら、床屋でも剃られたこと無い部分が剃られてる感覚がある
パッと目を開けたら、女の真剣な顔が目の前にあって緊張する俺
鼻息止めなきゃと思って無事脂肪
手渡された小さい鏡には、ゲジゲジからラルクのhydeに進化した眉毛が映ってた
当時流行ってたベッカムみたいにジェルでセットして登校したらお前もついに高校デビューかよって目で吉野がジロジロ見てきた
女も寄ってきて「いい感じじゃん。それじゃ次はピアスだね」とかニヤニヤし出すからそこは全力で拒否
女は俺の眉毛がゲジゲジに戻ってくると、定期的に剃刀持って近づいてきた
これが高2の半ばくらい
女のギャル仲間はたまにギスギスする時があって、そんな時は一緒に昼飯食うこともあった
吉野と竹田は露骨に嫌な顔してたけど
学校以外だとたまにメールがくるくらい
おもしろ画像とか呪いのメールとかよく送られてきてた
あっという間に卒業式がきた
別れはあっけなかった
俺は隣県の大学にギャルは地元の専門学校に行って、普通に疎遠になった
彼女も何人かできたけど長く付き合ったのは一人だけ
二年付き合って就職で地元に戻るっつったらフラれた
結婚とかは見えてなかったからそんなもんかなって諦めた
仕事始めてからは遊ぶ時間が最優先で女には目もくれず遊び呆けていた
晴れたら釣り、雨でも釣り、強風だったらスロット
そんでいつものように田んぼの用水路で釣りしてたら、田植えしてた農家のおばさんが近寄ってきた
「何が釣れるんですか?」
あれ声が若いと思ったらおばさんの格好してるお姉さんだった
「ブラックバスですけど、分かるかな?」
「美味しいんですか?」
ダメだこりゃ
「はっ?ちょっと待って、もしかして◯◯じゃない?私、女よ!同じ高校だったギャル女だよ」
は?うそだろ?お前そんな顔してたのかよ
狸みたいな化粧落としたら狐になってんじゃんよ
「やだーめっちゃウケるーマジ意味分かんないんだけどー。てかグラサン似合わなすぎーギャハハハ」
そのバカそうな話し方は確かに女だった
女は叔父さんの田んぼの手伝いで来てるらしかった
実家暮らしで介護職してるってこと聞いて、ギャル時代からしたら意外だけど世話好きの女にあってそうだなと思った
お互いフリーだと分かって、誰か紹介し合う約束をした
この時お互い24歳
俺は女耐性ついてたし、あの頃の淡い気持ちは1ミリくらいしか思い出さなかった
頑張れって
続き、待っとるぞ
引用元: ・https://mao.5ch.net/test/read.cgi/tomorrow/1559924976/