【嫁大好き】この神社は俺ら夫婦が新婚生活をスタートさせたところ

昨秋の終わりに長男の結婚式を勤務地の近くの神社でやったんだが、今は離れてしまったがここの街は
俺ら夫婦が新婚生活をスタートさせたところで縁を感じた

本殿へ続く参道を（俺の）嫁と歩いていてはるか昔の記憶が蘇えった
嫁が妊娠して安定期に入ったころ、安産祈願にここへきたこと、
参道脇のお寺でお札を頂いたら白い兜が入っていて男の子だと合唱したこと、
本殿の石段の脇でおみくじをひいたこと、
お寺の植え込みの前で撮った妊婦姿の嫁のポートレートが可愛くて俺の宝になったこと、
買い物中に遭遇した婚礼行列の花嫁が幸せそうだったこと、

今、同じ場所を留袖姿の嫁と燕尾服を着た俺が歩いている
髪を結いあげて金をちらした帯を締めた嫁の姿が少し艶っぽくて、立ち居振る舞いが素敵で
少々歳はくったが相変わらずいい女だ
俺の方は、額が広くなるばかりだの白髪だらけだのくたびれた親父でますます釣り合いが取れなくなっている
多少気恥ずかしいパレードではあったが、お幸せにと新郎新婦に声をかけてくれたひとたち、ありがとう
俺たちの姿は誰かの記憶に残ったのかな

式の後、少し奮発して部屋風呂つきの宿にふたりで泊ってきた
部屋付きの露天の湯舟から眺める月明りに照らされた伊豆の海が美しくて嫁と見とれてた
あまりに出来過ぎのシチュで、却ってこっ恥ずかしくて無言で肩を並べるオッサンとオバサンであった
歳を喰うのは悪いことばかりではないようだ

相変わらず世情は騒然としているが
迎えた新しい年に俺らの歴史が変わらず積みあがっていくことを祈っている