最初が先輩後輩の距離感から始まったので、彼女に敬語を使う癖が抜けず困った。結局今でも敬語。 >> 幸せなら、それでいいんじゃないの。
引用元: http://www.logsoku.com/r/open2ch.net/kankon/1395052439/
通っていた高校の中庭で一目惚れ。
その日はぐずついた天気で、雨が降ったり止んだりしてた。
俺は中庭の掃除当番だったんだけど、雨天時は別のところに振り分けられる決まりがあった。
この微妙な天気の時はどうすんだ、とりあえず中庭に行ってみるかと、少し早めに中庭に向かった。
そこに一人女子がいた。
中庭にはいくつかツツジの木が植えてあって、花の盛りだった。
その女子は、濃いピンクのツツジの花を摘んで、蜜を吸っていた。
薄暗い中庭で、白い手がゆっくり動いて、花を摘んで、白い顔を寄せて。
普通の、どっちかというと地味な感じすらある子だったけど、その風景があんまり色っぽくって背筋がざわっとなった。
そのままぼーっとみてたら目が合って、その女子はちょっとばつが悪そうに立ち去った。
制服のタイの色から、一学年上ということはわかったので、先輩に協力してもらって何処の誰さんかを特定、即告白。
後に結婚。
結婚式の時も綺麗だったけど、俺の中での一番は花の蜜吸ってたあの時だ。
どのあたりを詳しくすればいいのか…
何処の誰さんかの特定はちょっと苦労した。
俺、絵心無いから似顔絵とかは描けないし、
生徒数の多い高校だったから闇雲に探しても見つからないし。
手詰まりになって仲のいい先輩に相談したけど、
その先輩もあまり女子とは親しくなく情報不足。
最終的に先輩の友人の彼女まで話が行って、やっと特定。
(行事で撮影された写真等を持ち寄って頂いた)
特定した瞬間、先輩友彼女さんがPHSを駆使して
彼女は吹奏楽部で現在フリー、今日は○×棟の△階の階段付近で練習している、
との情報を得る。
女子の情報網の凄さを知った。
この時点で、雨の中庭から一ヵ月。焦れに焦れていた俺そのまま特攻。
「○○さんですか」
「…はい」(不審気)
「△△科一年○組の××です。一目惚れしたので付き合ってください」
「………あ、はい…」
「ありがとうございます。よろしければ今日、一緒に帰っていいですか」
「…はい、いいですけど…」
「ありがとうございます。じゃあまた後で」
彼女曰く、セールスの人みたいって思った、とのこと。
その後、帰宅方向が全く違うのに遠回りして一緒に下校。
これが彼女の卒業まで続く。
最初が先輩後輩の距離感から始まったので、彼女に敬語を使う癖が抜けず困った。
結局今でも敬語。
映画のワンシーンかっていうくらい綺麗だった。
あんなに集中して何かに見惚れたのは、あれが最初で最後かもしれない。