子供にとって俺は、夜と休日だけ家に居る変なおじさんでしか無くなった！？

数年前にこんな一文を見つけた。

何十年か前、大手電機メーカーの給料がごっそりと盗まれた3億円事件を境に給与は安全な銀行振込みに変わっていった。

もちろんその前は毎月給料日には給料袋をお父さんは家に持ち帰り、妻に渡すその給料袋の重みには言葉には現せない千鈞の重さがあった。

子供たちも子供心に生活できるのは父親のおかげだと言わなくてもわかる重さがあった。

ところがいまはなんだ、給料日に帰っても妻の小言から始まり銀行通帳を舌打ちされながら「こんだけなの？」と毎月出される。そこには数字の羅列しかない。

身をもって金を稼ぐ大変さと身銭を切る辛さはそこにはない。

数字が増えたり減ったりするだけ。

子供にとって父親は夜と休日だけ家に居るへんなおじさんでしか無くなった。

父親に向かっていう会話は「ｵﾒｰ、ｳｾﾞｰ、ｸｾｰ、ｳﾙｾｰ」だけとなってしまった。

なんでも合理化すれば良い訳じゃないだろう。