引用元: http://www.logsoku.com/r/2ch.net/tomorrow/1390920950/
俺の嫁、もと飲み屋の嬢(一応スナックだが、形としては完全にキャバだった…)
で、今は結婚して一姫二太郎なんとか幸せ中だが、そこに至るまでが大変だった
需要あるなら投下するけどどうよ?
>>300
おk
ちなみにけっこう長くなるかもしれん
面倒な奴はスルーしてくれ
俺 当時22歳 専門職
嫁 当時18歳 飲み屋嬢
簡単な二人の経歴
【俺】極普通の家庭に生まれ、極普通の中学、高校を卒業、学生時代も一切グレルことなく、むしろ超真面目で彼女出来なさ過ぎて侘しい青春時代を過ごし、今の職場に就職
【嫁】17歳の時に教師と喧嘩し、高校中退。昼はパート、夜はスナックの姉ちゃん つまりはDQNって奴だろうな、たぶん
ことの発端は、俺が職場の先輩に誘われてとあるスナックに行った時
しばらくすると、偶然後輩が店に来た
俺達に気付くなり、俺の席の横に座って一緒に飲むことに
後輩曰く、『スゲエ可愛い子がいるから狙ってる』とのこと
その後輩は茶髪なイケメンで、学生の時から結構遊んでたみたい。顔のおかげで女が勝手に寄って来てたとか言ってたし
で、当然後輩はその子を指名して、後輩の隣に座った
真っ金金の金髪、少し厚めの化粧、紫色の色々露出が多いドレス着用の女
まあ確かに可愛かったし、俺もその辺の飲み屋は結構行ったけど、たぶん一番かわいかった
……まあ、それが嫁だ
しかしそん時は接点なんて全くなかったし、嫁も俺に軽く挨拶をして、常連の後輩を相手にしていた
俺はというと、隣に座る女がやたらとべたべたしながらアドレスを聞いて来ていた
正直ウザかった
飲み屋の姉ちゃんなんて、アドレス教えてもどうせ営業メールしかしてこないし、適当に流すだけだった
しかしあんまりウザいからアドレスを交換(やっぱ営業メールばっかだったwww)
で隣を見ると、後輩が土下座に近いくらいに頭さげて、嫁にアドレス交換をお願いしていたんだわ
『うわ~そこまでするかね』って軽く引いた
一方嫁は、『う~ん、どうしよっかな~』みたいな感じで焦らしてた(見ててウザかったのは言うまでもない)
何度も何度もお願いする後輩に、じゃあいいよ的な上から目線でアドレス交換
後輩大歓喜で小躍りしながらカラオケ熱唱
で、俺が呆れながらそれを見ていたら、何気に嫁と目が合った
そしたら、ちょっとクスリと笑いながら、嫁が俺に『ねえ、俺さんも教えてあげようか?』って言ってきやがった
なぜか初絡みのはずの俺にまで上から目線だったから、酔っていたこともあり、カチンと来たんだ
で、嫁にブチ切れた
『なんで俺がお前とアドレスを交換しなきゃならないんだ』
『お前は俺とまともに話なんてしてねえだろ』
『それを上から目線に“教えてあげる”なんて何様のつもりだ』
『ちっとばっかし顔がいいからって、男が全員ヒョイヒョイ連絡先を教えるなんて思うな』
『仕事抜きで遊ぶつもりになってから言って来いボケェ』
ってな感じで一気に罵った
当然先輩と後輩、ママと女は( ゚Д゚)ポカーンってなってて、嫁は自分が何を言われているのかいまいち理解出来なかった模様で絶賛呆然中
まあ、今思えば大人げない行動だったと思う
店の空気も悪くしたしな
で、その妙な空気を感じ取って、先輩に金だけ渡して俺逃走
一目散に家に帰って、『やっちまった……』とバッドドリップ
先輩と後輩に謝罪のメール入れて、とりあえず寝た
これが俺と嫁の一番最初の会話だった。まあ最悪の会話だわなwww
翌日先輩と後輩に改めて詫びを入れて、ジュース奢った
先輩曰く、ママ達は笑って済ましてたみたいだけど、嫁は顔は笑顔だがブチ切れモード全開だったみたい
そりゃそうだよな
顔もかっこよくなければ服装も地味。メガネかけて一見オタクの会社員から一方的にキレられたんだし
ちなみに、嫁曰く、初対面の男にここまで言われたのは、後にも先にもアンタだけって言われた
それはそうと、結局俺、また先輩に誘われてその店に行ったんだわ
もちろんほぼ強制連行だったし、仲直りという口実で先輩がママに会いに行っただけなんだが
で、先輩がいらん気を回して嫁を俺につかせたんだ
でも嫁、なぜか俺に笑顔で接して、やたらとボディタッチをしてくるんだよ
意味がわからん。だって俺先日コイツにキレたんだぞ?俺にとっては、そん時の嫁が未知の生命体に思えた
しかしここでデレては男が廃ると、俺は徹底して不愛想で返す
嫁『名前はなんて言うんですか?』
俺『好きに呼べば』
嫁『お酒好きなんですか?』
俺『好きでもないし嫌いでもない』
嫁『出身はどこなんですか?』
俺『お前には関係ないだろ』
嫁『メルアド交換しましょうよぉ』
俺『 絶 対 嫌 だ !! 』
こんな感じ
ちなみに、後に嫁が語った
これは、俺への嫌がらせだったらしい。これが嫌がらせになるかはさておき、あれだけの態度を取られて黙る嫁じゃございません
なんとかこの男に仕返しを……!!的な復讐心から敢えて俺に構い、入り込もうとしていたそうだ
だが俺はしぶとかった。一度構えたスタンスは崩せなかった
そんな不毛なやり取りが、一週間ほど続いた
で、転機は突然訪れた
季節は夏。街の外れで夏祭りが開催されていた
その日も先輩に誘われて飲みに行ってたんだけど、そのスナックに夏祭りのポスターが貼られてたんだよ
そしたら嫁が、なんかそのポスター見てちょっと悲しそうな顔をしてたんだ
そのころには、嫁とは妙な喧嘩友達のような感じになってて、なんとなく、その嫁の顔が気になった
なんていうかな、諦めてるような顔だった
で、俺、何を血迷ったか、普通に聞いた
『……行きたいんなら連れて行くぞ?』
そしたら嫁な、一瞬ビックリするような顔をして、すぐにパアって表情を明るくした
んで、まるでガキみたいに喜んで『いいの!?』とか言いやがる
俺としてはどうせ断ると思ってたから完全に予想外だった
でまあ、そこで初めて連絡先を交換した
で、ちょうど嫁が休みだったから祭りの最終日に二人で行ったんだよ
祭りはスンゲエ人が多くて、人の波がうねってた
嫁は大はしゃぎ。俺、完全に保護者の気分
嫁は身長がかなり低い
人混みに紛れると、一瞬で姿を見失ってしまって、何度かはぐれた
しょうがないからチョコチョコ歩く嫁の手を強制的に握って引っ張って回ってた
祭りが終わって、駐車場まで歩いている中、嫁が突然言ってきた
『……今日はありがと』って
なんか店での雰囲気と全然違って、ずいぶんとしおらしかった
しかし相手は飲み屋の姉ちゃん
俺は最後まで油断すまいと再び毒を吐く
『別にいいよ。……それより、ついアドレス教えたけど、営業メール入れたら速攻で削除するからな。だいたい○○(源氏名)、ちょっと無防備だぞ。俺みたいなのに誘われてあっさり一緒に行くとか……』
『嫁だよ』
『……は?』
『私の名前。○○は源氏名。私の名前は、嫁』
『………』
再び不意打ち喰らっちまった
しかも、けっこう効いた
嫁浴衣姿だったし、ちょっと恥ずかしそうに言ってやがんの
今思えば、それ何て言うギャルゲー?みたいな流れだった
俺は脳内で絶賛会議中
『これも戦略か?』
『敵の手だろ』
『しかし本名教えるとかは……』
『気を付けろ。ホントの名前とは限らん』
みたいな自分会議を頭ン中で繰り広げていた
そっから、ちょくちょく休みの日に遊びに行くようになった
嫁からの営業メールはなかったし、話す内容も仕事以外の話が大半だった(たまに愚痴も言ってたけど)
ちなみに一切手は出してない
嫁は驚くほど俺の言うことを聞いていた
髪は黒色が好きと言えば髪を黒く染め直して、厚化粧は好きじゃないと言えばナチュラルメイクにしてた
まあ初期からすれば、想像も出来ない進展だったな
それでも俺は疑ってた
上で書いたけど、飲み屋の姉ちゃんなんてろくな女じゃないって思ってたし、どうせ何か裏があるんだろとも思ってた
そんな中、仕事中に突然嫁から電話があった
仕事中は取れないから、仕事がある程度片付いた後、休憩時間に電話したんだ
……そしたら、嫁、電話口でなぜか泣いてた
俺焦っちゃって、その場でウロウロ歩き回りながら『ど、どうしたんだよ!?』みたいにキョドってた
身に覚えは……ないっちゃない
少々の口喧嘩とか日常茶飯事だったし、なんだかんだでどっかに遊びに行ったら嫁も楽しんでた
心当たりらしい出来事なんてなかった
でも、嫁は電話口でずっと泣いてんの
少ししたら、嫁が自分から言ってきた
泣きながらだから、グダグダな説明だから要約すると
〇いつも俺と遊びに行ってホントに楽しかった
〇でも、自分は幸せになっちゃいけないって思った
〇だから、色々考えたけど、もう会わないようにする
〇こんな私を色んなところに連れてってくれてありがとう
〇もっといい女の人探して
みたいな内容だった
何を突然……と聞き直す俺。そっからしばらく沈黙する嫁
で、嫁カミングアウト
『……私、堕ろしたことがある』と
なんだろうね
俺、実はそん時に嫁のこと少し気になってたんだよね
オロスオロサナイの話はネットとかで聞いていたけど、実際に親しい人から聞かされたら何気にショックだぞ
でもまあ、その可能性は考えていた
何しろ嫁は何だかんだ言っても、世間的に見ればDQNの部類
でもね、俺情けないことに何も言えなかった
イケメンなら、ここで『そんなこと関係ない』って言えたかもしれないけど
だって泣きながら言ってきたんだぞ?
しかも俺が問い詰めたわけでもなく、普通に遊んで、普通に仲良くなっていたこのタイミングで言ってきたんだぞ?
一度も泣いたことない嫁が、それだけ自分を追い詰めながら話したことを考えると、下手なこと言えなかった
しばらく沈黙が続いた後、嫁がまたなんか言ってきた
『……ごめんね黙ってて。もう会わないから。じゃあね』
で一方的に切断。俺呆然。
声が弱々しかった。消えてしまいそうだった。
で、そっから俺フィーバーした
上司に急用が出来たと言って早退を申し出た
そしたら、上司が俺の顔見て、なんかわかったらしい。昔から感がいい人だったからね
『……分かった。もしアレなら、明日くらいは休んでいいから、その時は電話しろ。上には俺から話しを通しとく』
俺激感謝。ひたすら頭下げまくって、作業着のまま仕事場跳び出した
当然、嫁に会うため
ぶっちゃけ嫁の家なんて知らなかった
で、必死に嫁との会話を思い出していた
嫁の家の手掛かりになるのはいくつかあった
〇海が近い
〇その変じゃ有名な××港が歩いて数分のところにある
〇家の近くの某有名コンビニに買い物に行く
〇真正面の家が犬を3匹飼っててたまに夜ずっと鳴いててうるさいときがある
とりあえず、車で××港に行った
仕事場からは車で数十分の場所
着いたら次はコンビニの捜索。それもあった
そっからは車降りて走り回った
目指すは犬三匹の家
ぶっちゃけ散歩に出てたらアウトだったが、必死になって探してたもんだからそんなことは頭になし
で、汗だくになって走り回った結果、ようやく発見
確かに俺が近付いた瞬間うるさいくらい鳴き始めやがった
そして嫁の家はその向かい――
そこはぼろい長屋だった
長屋と言っても、人がいそうな部屋は一つしかなかった
で、おもむろに玄関を開ける。鍵はかかってなかった
ちなみに嫁の家は母子家庭だ
嫁母は仕事に行ってる時間だったから、いるとしても嫁だけ
悪いとは思ってたけど、少し家に上がって中を覗いた
これ、今考えたらけっこうヤバいかったな
違ってたら完全に不審者だったし
……でも、嫁がいた
奥の部屋でずっと泣いてた
で、俺に気付いて顔上げて固まった
顔は涙と鼻水でグチャグチャ
ボソッと『……え?なんで……?』みたいなこと言ってた
もうね、俺ン中で、嫁死んでるんじゃねえかみたいな事態にまで昇格してたんだよ
そんくらい嫁の声が消えそうだったし
で、嫁の姿見た瞬間、俺スッゲエ安心して、なぜか一気に涙が出てきた
いい歳した大人が、床にへたり込んで涙流して泣いてんの
それを見た嫁が、這うように俺ンとこ来て、泣いてる俺抱き締めてまた泣いてんの
ボロい家の中で、俺と嫁はずっと泣いた
嫁は『ごめんなさい……ごめんなさい……』って謝りながら、ずっと泣いてた
そん時に泣きながら思ったんだ
ああ、俺、コイツにホレてんだなって
やべ、なんか長くなりすぎたな
でまあ結局それがキッカケだったか分からんが、俺と嫁は付き合うことになった
そっから嫁は飲み屋をすぐ辞めた
ママからはかなり反対されてた
それでも嫁は頑なに辞めた
で、そっから嫁の意外な面を色々知った
まず家事全般をソツなくこなす奴だった
見た目DQNだったから、『俺が色々家事を教えないとなぁ』みたいに上から目線で色々思ってたもんだから、それにはビビった
さらにパートってのは、施設の飯作りだったらしい
だからスンゲエ飯も旨かった
嫁母にも挨拶した(っていうか、当然だけどその日普通に帰って来た)ら、スッゲエいい人だった
……ってのが、付き合うまでの経緯
実際はこんなのはまだまだ前哨戦で、嫁に片思いDQN男の襲来やら、嫁妹赤ちゃん放置蒸発事件やら色々笑えない事態があって結婚に至ったんだが……
それを語るとまた凄まじく長くなるから、今日はこの辺で止めとく
希望があれば書くかもだが、今日は寝る
俺から一つ言えるのは、人は見かけによらんってことだ
俺も最初の嫁の見かけでDQNと判断したが、実際には全然違ってた
俺はいい意味で裏切られたが、悪い面で裏切る奴もいる
人の外見と内面は全くの別物ってのを、覚えていてほしい
最後に、こんなつまらん話に付き合ってくれてありがとう